自閉症スペクトラム障害(ASD)は、対人関係の困難さを抱えたり、興味・関心の限定・特定の行動を繰り返したりすることが特徴として挙げられます。 ASDはコミュニケーションや社会性に関する脳機能に偏りが生じることが多く見られます。
ここでは、自閉症スペクトラム障害における子どもの生活面と学習面の特徴を紹介します。
自閉症スペクトラム障害(ASD)は、対人面や社会的なやり取りの中で困難さを抱えることが多いです。人とのかかわりが苦手だったり、例え話や皮肉、暗黙の了解、相手の気持ちを理解できないことがあるのが特徴的。このような特性があるため、言われたことを表面的に受け取ってしまい、社会的な場面で困難が生じてしまうのです。
物事の順番や勝敗、自分のやり方への強いこだわりを持つケースもあり、柔軟に対応することが苦手な面もあります。感覚刺激に過敏もしくは鈍い面があることから、健常の人が何とも思わない音やにおいなどに強い苦痛を感じてしまい、日常生活に支障をきたすこともあるのです。
自閉症スペクトラム障害の子どもは、感覚過敏が見られることがあります。このような特性があると、勉強に集中できないケースも発生します。その他にも新しい環境が苦手なため周囲が気になって集中できず、成績が下がってしまう子どももいます。しかし、自閉症スペクトラム障害の特性の1つでもあるこだわりの強さが良い方向に発揮されると、好きな分野の能力を伸ばせる可能性もあります。
自閉症スペクトラム障害の場合、物事へのこだわりが強かったり新しいことが苦手だったりする特性があります。あいまいな表現や暗黙の了解といったコミュニケーションが苦手でもあるため、笑顔で優しく「ここ、間違っているよ」などと助言するのは控えた方がよいです。否定的な言葉だけをとらえて、必要以上に傷ついてしまうため、学習する際の声掛けは十分配慮する必要があります。
ここでは、専門塾で受けられる指導内容について説明していきます。
感覚の過敏性は、子どもに不安や混乱をもたらしてしまう要因でもあります。その結果、癇癪が強くなってしまうこともあるのです。感覚過敏のある子どもへの指導は、要因になっていることを特定して、なぜ過敏になっているのか把握することが大切です。
そして原因になっている事物を可能な範囲で避けられるよう工夫しています。例えば、音への過敏性がある場合には、イア・マフを装着して授業を受けられるよう工夫している塾もあります。
自閉症スペクトラム障害を抱える子どもの場合、見通しの立たないことをするのが苦手な場合が多いです。授業を始める前に予定表を作成して渡しておくと、落ち着いた気持ちで勉強に集中できる効果が期待できます。自分の考えと異なるスケジュールや予定外の課題への苦手意識を持つ子どももいるので、事前にどのようなことを学習するのか具体的に伝えておくのも有効でしょう。
自閉症スペクトラム障害の子どもは、あいまいな表現や抽象的な指示を理解できないケースが多いです。 「わかるところまでやってみて」などの指示ではなく、「〇ページの問〇までやってみよう」など具体的に伝えるようサポートしています。
自閉症スペクトラム障害の場合、聴覚よりも視覚からの情報が有利となるケースがあります。理解できるように、図や絵を取り入れて学習を進めるよう工夫している塾もあります。
子どもによってはカラフル過ぎる教材だと、情報量が多くなり過ぎて混乱する原因になりかねません。白黒コピーのものを使うようにするなど、個別に応じて対応しているのが特徴に挙げられます。
子どもによって特性が異なるため、学校や塾の先生と連携をしっかり取りながら学習を進めていくことが大切です。予期せぬ出来事や変化に弱い子どもが多いため、予習する習慣を身につけていくと学校で新しい単元に入っても気持ちに余裕を持てるようになるでしょう。
学習塾を選ぶ際は、その子の個性に合わせて指導をしてくれる専門性の高い塾を選ぶことが重要です。当サイトでは発達障害のお子さんが通える全国の学習塾をまとめていますので、ぜひ参考にしてください。